ノミの生態

ノミの生態

ノミは哺乳類や鳥類に寄生する昆虫で、日本ではワンちゃんやネコちゃんに寄生するノミの多くは「ネコノミ」という種類です。ノミは1年を通じて活動しますが、特に春から秋の暖かい季節になると活発に活動します。ワンちゃんやネコちゃんに寄生したノミはすぐに吸血を始め、約24 ~48時間後には卵を産み始めます。ノミの成虫の寿命は日常の飼育では2~3週間ほどであり、多くはグルーミングなどで体から除去されますが、50日間で1匹の雌ノミが約1700個も卵を産んだという報告もあります※。
ワンちゃんやネコちゃんの体から落下したノミの卵は1~6日で孵化し、幼虫となります。幼虫はカーペットやソファ、部屋の隅などジメジメした暗い場所を好み、食べ物のカスやノミ成虫の糞などを食べて脱皮を繰り返してサナギになります。サナギは周囲にあるゴミなどを自身に付着させて、環境の変化から身を守り、乾燥しない環境であれば数カ月間生存して、動物に寄生するチャンスを待ちます。サナギは動物や人の体温、二酸化炭素や振動などに反応して羽化し、成虫となって動物に寄生します。ノミの発育の速度は周囲の温度や湿度に左右され、条件次第でライフサイクルは14~180日と大きく変化することがわかっています。

※参考文献:Veterinary Parasitology34,November 1989

ノミの生態_犬猫のノミ

【ノミの発生の年間変動】

ノミの発生の年間変動_犬猫のノミ

注1 折れ線グラフは上から、その月の最高気温、平均気温、最低気温を示している
注2 棒グラフはノミ寄生陽性犬の割合を示している
※引用:A survey of fleas on dogs in southern Italy, Veterinary Parasitology 148 (2007)

【ノミのライフサイクル】

ノミのライフサイクル_犬猫のノミ

宿主(ワンちゃんやネコちゃんなど)に寄生しているノミは全体のわずか5%
それ以外の95%は未成熟のノミ(虫卵、幼虫、サナギ)として環境中に生息しています

ノミの繁殖を防ぐために部屋の掃除は頻繁に行い、ペットのベッドやソファなどは清潔に保つよう心掛けましょう。ノミが大量に寄生すると吸血による貧血、ノミの唾液が体内に入ることによる痒み(ノミアレルギー性皮膚炎)などを発症します。また、間接的な病害としては瓜実条虫の媒介や猫ひっかき病などがあり、人にも被害が及ぶことがあります。こういった病害を避けるためにも、ノミ寄生のリスクのあるワンちゃんやネコちゃんには定期的にノミ駆除薬を投与してノミ対策を行う必要があります。

【ノミのステージ別の生息割合】

ノミのステージ別の生息割合_犬猫のノミ

参考:Use of a math model study dynamics C.felis Parasite 2004, J. Me d. Entomol. Vol. 18, no . 1: 78-83 1981

ノミのステージ別の生息割合_犬猫のノミ

人によってノミが室内に持ち込まれ、知らない間に家の中で繁殖してしまうことがあります。いったんノミが家の中で繁殖すると清浄化するには大変な労力を要します。

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