マダニによる症状・病気

マダニ寄生によりみられる症状やマダニ媒介性疾患

マダニは吸血の際に多くの病原体を媒介するため、マダニに血を吸われたペットは、貧血や皮膚炎だけでなく、命にかかわるような恐ろしい感染症にかかる危険性があります。また、マダニ媒介性疾患にはペットだけではなく人にも感染する人獣共通感染症もあるため、注意が必要です。

1.貧血

2.皮膚炎

マダニ被害画像_犬猫のマダニ
マダニ被害画像_犬猫のマダニ

3.犬バベシア症 ~命にかかわる非常に恐ろしい病気~

症状

貧血、発熱、食欲不振、黄疸など

病気について

マダニを介してワンちゃんの体内に入ったバベシア原虫が赤血球に寄生して、貧血を起こします(赤血球が壊されておこる溶血性貧血)。感染したワンちゃんには貧血や発熱、食欲不振などの症状が現れ、場合によっては死に至ることもある、とても恐ろしい病気です。かつては「犬バベシア症は西日本でしか見られない」と言われていましたが、今では関東以北でも発生が認められるようになり、全国的に感染のリスクがあることが明らかになってきました。

貧血による口腔内粘膜の変色_犬猫のマダニ被害画像

4.SFTS(重症熱性血小板減少症候群) 【人獣共通感染症】

症状

(犬):食欲不振、元気消失、嘔吐、下痢など
(猫):食欲不振、元気消失、発熱、黄疸、嘔吐など
(人):発熱、消化器症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)。頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状が起きることもあります。

病気について

SFTSウイルスによる感染症で、2013年に日本で初めて人の感染例(海外渡航歴なし)が報告されました。SFTSはマダニを介して人や動物に感染するため、注意が呼びかけられています。ペットから人へのSFTSウイルスの感染及び発症事例も報告されています。

IASR Vol. 40 p117-118:2019年7月号

5.ライム病 【人獣共通感染症】

症状

(犬):多くは無症状。発熱、元気消失、食欲不振、歩行異常などがみられることもあります。
(人):皮膚症状、神経症状、発熱、食欲不振など

病気について

マダニからペットだけでなく人にも感染します。
人に感染した場合、皮膚症状、起立不能、歩行異常や神経過敏などの神経症状 、関節炎などがみられます。

ライム病における慢性遊走性紅斑_犬猫のマダニ被害画像

6.日本紅斑熱 【人獣共通感染症】

症状

(犬、猫):症状は不明
(人):頭痛、発熱、倦怠感、全身の発疹

病気について

マダニを介してリケッチアという病原体が体内に入ることで、発症することがあります。発熱や発疹が見られ、場合によっては死亡する恐れもある大変危険な病気です。
ワンちゃんやネコちゃんでは病原体(リケッチア)の抗体陽性が確認されてますが、病原性は不明です。

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